企画を考える。
文章を書く。
広告を分析する。
資料をつくる。
Webサイトをつくる。
いまやAIは、t-styleの仕事に欠かせない存在になっています。
そんな中、先日ちょっと怖い出来事がありました。
身に覚えのない「実績」が、自分のサイトにあった。
自社のWebサイトをAIで制作していたときのことです。
サイトを確認していると、見覚えのない商業施設の写真と実績が掲載されていました。
もちろん、t-styleの実績ではありません。
私はその施設の実績をAIに教えたこともありません。
それなのに、写真があり、説明文があり、まるで本当に私が手掛けた仕事であるかのように、きれいにまとめられていました。
文章だけ読めば、違和感がない。
むしろ、よくできている。
だからこそ怖い。
もし確認せず、そのまま公開していたらどうなっていたのだろう。
第三者の実績を自分の実績として掲載している、と指摘されてもおかしくありません。
私は慌てて削除しました。
AIは「もっともらしい答え」をつくる。
今回、なぜその実績が出てきたのか。
結局、はっきりした原因は分かりませんでした。
でも、この出来事で改めて感じたことがあります。
AIは非常に優秀です。
こちらの意図を理解し、情報を整理し、短時間で形にしてくれる。
一方で、
「もっともらしいこと」と「本当に正しいこと」は同じではありません。
AIがどれだけ進化しても、出てきたものをそのまま信じるのではなく、
「これは本当か」
「誰の情報なのか」
「お客様に見せて大丈夫なのか」
最後に確認する人間が必要です。
これは広告の仕事も同じだと思う。
広告の世界にも便利なものが増えました。
Google広告は数字を出してくれる。
SNSは反応を教えてくれる。
アクセス解析を見れば、お客様がどこから来たのかも分かる。
そしてAIに聞けば、その数字を分析して改善案まで出してくれる。
もちろん、私も全部使います。
でも、それだけでは分からないことがあります。
実際に店へ行ってみる。
入口を見る。
メニューを見る。
店内を見る。
スタッフの動きを見る。
お客様が何を見て、どこで立ち止まり、何を選んでいるのかを見る。
そして、クライアントの話を聞く。
そこにしかない答えがあります。
30年間、答えを探してきた場所。
私は広告代理店で約30年間、集客や販促の仕事をしてきました。
でも、立派な理論を確立したわけではありません。
広告の必勝法を発見したわけでもありません。
むしろ、
「これなら絶対にうまくいく」
と思って現場へ行って、
「あれ?」
となったことの方が、数え切れないほどあります。
広告では反応が良かった。
数字も悪くない。
企画も間違っていないはず。
なのに、お客様が来ない。
逆に、こちらがそれほど期待していなかった施策に、お客様が驚くほど反応することもある。
そのたびに現場へ行きました。
見て、考えて、直して、また試す。
その繰り返しでした。
答えは、画面の中だけにはない。
AIはこれから、もっと賢くなると思います。
広告運用も、分析も、クリエイティブ制作も、今以上に自動化されていくでしょう。
だから私はAIを否定するつもりはありません。
むしろ、これからも積極的に使います。
ただ、一つだけ変わらないと思っています。
最後に「本当にこれでいいのか」を判断するのは、人間です。
そして集客の答えを探すなら、画面だけを見ていてはいけない。
店に行く。
街を見る。
人を見る。
クライアントの話を聞く。
お客様の気持ちを想像する。
広告のテクニックよりも、その積み重ねの方がずっと大切なのかもしれません。
AIが何でも答えてくれる時代になったからこそ、
現場を見ることの価値は、むしろ以前より大きくなった。
今回の小さな事件を通じて、そんなことを改めて考えました。
