リニューアルした店舗を訪れたときの記録です。
近くには、ららぽーと、コストコ、イケアがありました。
立体駐車場は満車で、店内も混んでいた。
売場では、以前よりも派手なPOPで安さが伝えられていました。
さらに食品売場には、近隣の競合店と比べた価格表がありました。
当時の私は、それを見て購買意欲をかき立てられ、こちらのほうが安いと感じたと書いています。
競合が近いほど、選ぶ理由が必要になる。
2009年の記録には、至近距離に複数の大型商業施設ができていたとあります。
似た商品を扱う店が近くにあれば、お客様は比べます。
どこが安いのか。
どこが便利なのか。
どこで買うと楽しいのか。
店側が競合を意識していなくても、お客様の頭の中には比較があります。
だから、うちは安い、と言うだけでは足りません。
なぜここを選ぶのか。
その理由が、売場で見える必要があります。
POPは、安いと叫ぶだけのものではない。
当時の売場では、派手なPOPで安さが伝えられていました。
私は、その見せ方が店らしくてよいと感じています。
売場の雰囲気と、POPの言葉や色が合っていたのでしょう。
きれいに整えることだけが、良いデザインではありません。
その店で、何を買ってほしいのか。
どんな気持ちで売場を歩いてほしいのか。
店の個性に合った見せ方で、買う理由を強くする。
POPには、そんな役割があります。
価格比較表は、判断の手間を減らしていた。
食品売場には、近隣の競合店との価格比較表がありました。
私はビールの価格を見て、こちらのほうが安いと感じています。
具体的な価格は、当時の記事には残していません。
だから、実際にどの程度の差があったのかは分かりません。
ただ、比較表を見たことで、その場で判断できたことは記録に残っています。
お客様が自分で何店も回って調べなくてもよい。
何と比べて安いのかが分かる。
安いという主張を、選ぶための情報に変える。
比較表は、その仕事をしていました。
安さにも、体験がある。
記事には、箱で買う売り方や、広くなった酒売場についても書いています。
単に価格を下げるだけではなく、売り方そのものから安さを感じていたのでしょう。
商品が積まれている。
大きな単位で買える。
売場のあちこちで安さを伝えるPOPが目に入る。
競合との違いが、その場で分かる。
そうした要素が重なって、安い店に来たという体験になります。
価格は数字です。
でも、安さの感じ方は、売場全体でつくられるのだと思います。
30年以上たっても、根拠を見せることは変わらない。
広告や販促の仕事に30年以上関わってきました。
お得です。
おすすめです。
今だけです。
販促物には、そんな言葉が並びます。
でも、言葉だけでは、お客様は判断できません。
何と比べてお得なのか。
なぜおすすめなのか。
今選ぶと、どんな良いことがあるのか。
主張の横に、根拠を置く。
2009年に見た価格比較表は、その大切さを教えてくれていました。
「安い」と大きく書く前に、安いと納得できる情報があるか。
売場でも広告でも、まず確認したいことです。
