実施報告書に残っている配布実績は、9エリア、7,010部。
こうして数字にすると、ポスティングは「何部配ったか」という仕事に見えます。
でも、その前に決めなければならないことがありました。
どこに配るのか。
そして、今回はどこを抑えるのか。
チラシを作ることと同じくらい、その判断が気になっています。
駅から1分。その先の生活圏を考える。
今回の施設は、いいオフィス井土ヶ谷 by D-Workbase。井土ヶ谷駅から徒歩1分の場所にあります。
駅から近い。それは確かに魅力です。
ただ、施設が駅から近いことと、近隣に住む人がそこを使いたいと思うことは、同じではありません。
家の近くで仕事をしたいのか。駅を使う途中で立ち寄りたいのか。勉強する場所を探しているのか。
同じ地域に住んでいても、使う場面は違うはずです。
住所の近さだけではなく、その人の生活の中にこの施設が入る余地があるか。配布エリアも、そこから考えたいと思います。
まんべんなく配る、とは決めなかった。
今回の配布設計では、井土ヶ谷駅の北側・北西側を重視し、蒔田駅方面は抑えました。
実際に歩いて利用する可能性を考えて、エリアを選んでいます。
もちろん、蒔田駅方面には需要がないと証明できたわけではありません。
どこに配っても同じ、とは考えず、今回どこから知らせるかを決めた、ということです。
限られた部数をどこへ届けるのか。
地図に配布エリアを置く作業にも、「こういう人なら、この場所を使うかもしれない」という仮説が入っています。
広告というと、コピーや写真、動画の話になりがちです。でも、届ける場所を決めることも、伝え方の一部なのだと思います。
チラシには、手元で比べる役割を持たせた。
今回のチラシには、施設の存在を知らせるだけでなく、プランや価格帯を手元で読み、比較する役割も持たせました。
近くにワークスペースがある。
では、自分はどんなときに使うだろう。料金はどうだろう。
知ってもらった先で、その判断に使えるものにしたい。
だから、配る場所だけ決めれば終わりでもありません。その場所に住む人が、何を知れば利用を考えられるか。紙面の中身も、配布先とつながっています。
ただし、これはチラシに持たせた役割です。受け取った人が実際にどう読んだかまで、分かったわけではありません。
7,010部は、読んだ人数ではない。
配布実績として、7,010部は残りました。
でも、その数字は、7,010人が読んだという意味ではありません。まして、7,010人が利用を検討したという意味でもありません。
郵便受けから取り出されたあと、何が起きたのか。
読まれたのか。必要な日に備えて残されたのか。そのまま捨てられたのか。
配布部数だけでは、そこまでは分かりません。
だから、配り終えたことは確認できても、それだけで今回のエリアの選び方が正しかったとは言えない。
地図に置いた仮説の答えは、配布完了の報告とは別に確かめる必要があります。
次に知りたいのは、どこから、何のために来たのか。
次の運用で確かめたいのは、施設を利用する人の生活圏と、使う目的です。
どこでこの場所を知ったのか。家や職場から、どのように来るのか。仕事なのか、勉強なのか。なぜここを選んだのか。
これは、これから確認したいことです。今回、その聞き取りを済ませたという話ではありません。
その声と配布エリアを照らし合わせれば、次も同じ場所に配るのか、別の場所を試すのかを考える材料になります。
7,010部という実績を、次の7,010部を配る理由に、そのまましてしまわない。
配る前に考えて、配ったあとにも考える。
チラシの仕事は、紙面の外にも続いています。
